109ページの史料『黒尊仏山方之事』
この文化2年(1805)の丹沢縦走の記録『黒尊仏山方之事』の写真は、以前、大山周辺の古文書を長年研究していらっしゃる川島敏郎先生が教えて下さりご提供いただきました。
伊勢原市教育委員会の方からも、前からあるのはわかっていたんだよ、と言われましたが、要はこれを目にした先生方はこの縦走路に関する土地勘と山岳修行の諸様態についての情報をお持ちでなかったので、それほど注目されることが無かったのだと思います。
ところが、山岳修行の宗教的思想と空間認識を研究している自分にとっては、とってもびっくりの史料で、山伏が峰入り修行をしていた時代と明治以降現在にいたるアルピニズム登山の時代の空隙を埋める史料、言い換えれば中世近世と近代現代をつなぐ史料として大変注目しているわけです。
本書では現代語訳してありますが、原文はこちら↓でご紹介しています。
http://musictown2000.sub.jp/history/kurosonbutu.html
詳細は拙稿「丹沢山地・蛭ヶ岳と山岳修行者の空間認識」『山岳修験』第58号(日本山岳修験学会 2016)をご覧下さい。
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