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2021年10月13日 (水)

86ページの写真「鎌倉杉本寺の石段」

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拝観料をお支払いすると拝観券とともに「鎌倉最古仏地」というタイトルの解説パンフレットも頂ける杉本寺。この凝灰岩(鎌倉石)の苔むした石段の風情は鎌倉随一と言っても良いくらいです。奥富敬之『鎌倉史跡事典』ではこれを「一枚岩」の石段と説明していますが、本当かしらん?ご存じの方がいらしたら教えて下さい。

行基が出てくる杉本寺の中世縁起を以下一部引用します。
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旧記曰坂東札所第一番相刕鎌倉郡大蔵ヶ谷杉本の観世音菩薩者行基菩薩艸創之霊地也云云
本朝人王四十五代 聖武皇帝御宇天平年中行基菩薩東国徧歴の序
此の所に至り大蔵山の峯に挙て四方の景色を見給ふに
長山前後を囲み麓は平地にして宛も王者起興の瑞気あり
前には滑川の流れ清くして真観清浄の智水断る事なく由井の浜風潮を吹いて梵音海潮の声耳に喧し
船舫往来亦利有て誠に救世円通の尊容を安置すべき霊地なりと暫く観念し玉ふに
紫雲円かに枯木を覆ひ風声自ら大悲陀■(羅)尼を唱へ赫々たる光の中
十一面観世音菩薩影向在して傍なる霊木に指し行基に告玉はく
汝今此霊栢を以て我が像を刻て此の山に安置せよ
尓らば救世の願不虚而濁世悪業の衆生を救済んと告敕し畢て尊容は見へ給はず
行基菩薩因告即ち五尺余の十一面観世音の尊像を一刀三礼の未満旬而彫刻成就し給ふ
今内陣の西の方に立給ふ本尊是也

・・・(後略)・・・

余事は旧記又は東鑑等に見へたり
  永禄三庚申年(1560)三月 杉本寺沙門 慈観 謹写
  右伝来之依旧記録之畢 当別当現住沙門   弁済

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この縁起は、鶴岡静夫『日本古代仏教史の研究』(文雅堂書店、1962)では「大蔵山 杉本寺本尊縁起」として翻刻が掲載されていて、奥富敬之『鎌倉史跡事典』(新人物往来社、1999)では「二階堂村天台宗杉本寺本尊縁起」という表題で紹介されています。この縁起については、自分ではそれほど調べていないので、他にも翻刻や写真を掲載しているものがあるかもしれません。

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