75ページの写真「仏果山から拝む大山」
山岳信仰の昔の姿を探る時に、里から見た山の景観が重要な要素なのは常識です。なので、相模大山の姿はどこから眺めるのが見事だろうと、常に意識して歩いていますが、やはり一番は有無を言わさず平塚市(※16ページの写真「平塚市北部から見た丹沢山地と大山」参照)。ピラミダルな姿と丹沢山地がほとんど見えない所がポイントです。相模川を渡った東側や、相模川をさかのぼった北側へ行くと、大山北尾根が見え始め形が崩れてきます。そして東側では富士山の姿も視界に入りやすくなって大山の存在感がちょっと薄れてきます。
この仏果山から見た大山も、なかなか見事だと思います。右側に標高の高い丹沢山地の山々も見えますが、存在感ではそれほど負けていません。そして大山北尾根や三峰山は手前に伸びているので、大山がここでもピラミダルな姿で拝めます。半原で仏果山が「大山の背面鎮護」、「正身の不動明王」が現れる「明王嶽」とされたのも景観的に納得できます。
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