霊山の中世寺社縁起とインド・ネパール(天竺)
中世の日本人はみんな天竺(インド・ネパール)に憧れていたのでした。霊山の由来を記す中世の寺社縁起にはインドのお話がいっぱいです。土曜日のライブでもこのお話しよう。
〇大山(伊勢原市)は南天竺の霊山の左脇が欠けて飛んで来たそうな。(『大山縁起』)
〇富士山はアフガニスタンあたりからインドに侵入してクシャナ朝を開いた月氏の島が一つ突然飛んで来て富士山の神様になったそうな。(『浅間大菩薩縁起』)
〇熊野(和歌山県)の三所の神々はガンガー下流域のマガダ国(パトナ周辺)の王様と王子たちが十万以上の眷属を連れて飛んで来たそうな。(『熊野山三所権現金峯山金剛蔵王縁起』)
〇金峯山(奈良県吉野)の神は天竺の波羅奈国(バラナシあたりの国)の王様がやっぱり十万の眷属を連れて飛んで来たそうな。(『〃』)
〇箱根の神様と伊豆(熱海)の神様は天竺の斯羅奈国(場所不明)の姫君が継母にいじめられて殺されるところを波羅奈国(バラナシあたりの国)の王子たちに助けられて結婚して、お父さんも連れて皆で日本の大磯の海岸に逃げてきてその後、山に登って皆で神様になったそうな。意地悪の継母は蛇の姿になって追いかけてきたらしい。(『神道集』「二所権現事」)
このネタは、執筆中でいつ上梓できるか未定の著書にも書こうと思う。まだ事例はたくさんあるはず。でも研究論文が先なので、まだまだ先です。次の研究論文が発表されるのは来年3月予定で、まだ校正もはじまっていないのです。
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