大山不動
今、本を書いています。神奈川新聞に連載していた「法螺貝の響く山 丹沢山岳宗教講座」全20話にさらに30話を足して文章量も増やしながらの書き下ろしの予定。ただ、執筆時間が限られる上、想像や妄想で書いてはいけない世界。資料と史実と研究動向を漏らさず睨んでおかなければなりません。遅々として進みませんが、来年には何とかしたい。
今日は、昨年から始まった文化庁の新しい文化施策「文化遺産」に認定されて盛り上がっている大山(戸庶民の信仰と行楽の地~巨大な木太刀を担いで「大山詣り」~)のお不動さんが霊木仏だった時代、つまり鎌倉時代中期以前(鉄仏以前)の不動明王像を『大山縁起』(真名本)から考えていました。一本の「槻」を彫り出して本尊にしたと書いてある。これは「ツキ」、「ケヤキ」の古名。
現在、大山寺に安置されている平安仏の木造不動明王像の材質は「ヒノキ」の寄木造、12世紀頃の作。これ以前にも木造不動明王像があったか?いずれにしても日本で不動明王像が造像され始めたのは9世紀以降。・・・と、こんな感じでなかなか終わらない訳です。
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