83ページの写真「染屋太郎大夫時忠邸阯」
染屋太郎伝説のある伊勢原市・愛川町・鎌倉市を全部見渡して考察した方は小島櫻禮先生(琉球大学名誉教授)以外にいらっしゃるのかしらん?そういう論考があったら教えて頂きたいです。本書では小島先生の見通しに基づいて自分なりにまとめてみました。しかし、これを学術論文にするのはちょっと難しい。
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染屋太郎大夫時忠ハ藤原鎌足ノ玄孫ニ當リ南都東大寺良辨僧正ノ父ニシテ文武天皇ノ御宇(皇紀1357-1362)ヨリ聖武天皇ノ神龜年中(皇紀1384-1388)ニ至ル間鎌倉ニ居住シ東八箇国ノ総追捕使トナリ東夷ヲ鎮メ一ニ由比長者ノ稱アリト傳ヘラルヽモ其事蹟詳ナラズ此處ノ南方ニ長者久保ノ遺名アルハ彼ノ邸址ト唱ヘラル尚甘縄神明宮ノ別當甘縄院ハ時忠ノ開基ナリシト云フ
昭和十四年三月建 鎌倉町青年団
※横書きなので漢数字をアラビア数字で表記しました。
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因みに、鎌倉の近代以降のこの建碑運動については、最近綿密に研究された方がいらして研究論文が発表されています。ご参考までに。
岸本洋一「近代鎌倉の青年団による史蹟指導標の建碑 ―副団長の記録に見る建碑の詳細―」『京都芸術大学大学院紀要』第1号(2021)
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